贈収賄事件受け陳謝 三重県知事「重く深刻に受け止める」

一見勝之三重県知事は22日の県議会本会議で、県企業庁発注の水道設備工事を巡る贈収賄事件を受けて陳謝した。本会議後の記者会見では、24日に幹部らを集めて臨時の庁議を開く方針も示した。

一見知事は人事課を通じて事件へのコメントを発表していたが、公の場で言及するのは初めて。本会議冒頭の提案説明で「最後に、この場をお借りして一言おわびを申し上げます」と切り出した。

「県政の信頼を損ない、深くおわびする。このような事態となったことを重く深刻に受け止める」などと述べ、全職員を対象にコンプライアンス・ミーティングなどを実施するよう指示したと説明した。

本会議後の記者会見でも「県民の信頼を裏切り、本当に申し訳ない」と改めて陳謝。「私がいる前の話だが」と前置きした上で「もう一度、気持ちを引き締めなければならない」と述べた。

県職員が現金を受け取る約束をしたことについて、一見知事は「おかしい」と批判。事件となった入札で用いた総合評価制度については「是正しなければならない部分はない」との認識を示した。

事件では、県職員の酒德和也容疑者(57)と元県職員の小野弘春容疑者(60)が令和3年7月ごろ、入札への指導の見返りに現金を受け取る約束を、土木工事会社社長の新井政智容疑者(46)と交わしたとされる。