白日会出品作など38点 画家・濵口氏の遺作展始まる 津・三重

【濵口さんの遺作を鑑賞する妻の美和子さん(左端)ら=津市大谷町の県立美術館県民ギャラリーで】

【津】三重県津市観音寺町の画家で、一昨年7月に89歳で逝去した濵口大蔵氏の遺作展が8日、同市大谷町の県立美術館県民ギャラリーで始まった。50―100号の大作38点を展示し、50年にわたり絵画公募団体白日会で活躍した濵口氏の足跡を紹介している。12日まで。入場無料。

濵口氏は紀伊長島町に生まれ、県職員と並行し制作を続けた。昭和30年同会に初入選し同59年から会員を務めた。

7月の遺作小品展に続く今展では昭和40年代から最後の作品までを展示。定評のあった油彩の人物画、神奈川県の真鶴や箱根などの風景、海外で描いた水彩、津まつりのスケッチなどが並ぶ。長年の功績をたたえ令和3年に特別賞「白日会八咫烏(やたがらす)賞」を受賞した人物画「室内」や、妻の美和子さん(87)、娘の山本和子さん(60)を描いたものもある。

美和子さんは「人物も風景も妥協せずじっくりと描く姿勢は変わらなかった。50年没頭し描き続けた作品を皆さんに見ていただきたい」と話した。