鳥羽商船、2部門で優秀賞 海での安全支援システム開発 全国高専プログラミングコン

【中村市長(前列中央)に受賞を報告した鳥羽商船高専の学生ら=鳥羽市役所で】

【鳥羽】高専生がプログラミングの技術を競う「全国高等専門学校プログラミングコンテスト」で、三重県の鳥羽商船高等専門学校の2チームが、海での安全を支援するシステムを開発し、2部門で2位に相当する優秀賞を獲得した。

コンテストは10月14、15日に福井県で開かれ、「オンラインで生み出す新しい楽しみ」がテーマの課題部門には、全国から予選を通過した20チームと海外から参加した2チームの計22チームが出場。情報機械システム工学科4年の永井玖愛さんら5人が開発した、遊漁船業のオンライン安全確認・釣果共有システム「FishCam(フィッシュカム)」が優秀賞を受賞した。

遊漁船業者が釣り人の安全確認に労力がかかるという課題解決に向けて開発。船上の様子を自動で撮影しながらAI(人工知能)を用いて釣り人の状態を検知し続け、異常があった場合はスマートフォンのアラートなどで通知する。釣り人の写真を撮影するとAIが魚種を識別し、天候や時間を記録して釣り日誌を作成するほか、SNS(交流サイト)に釣果写真を自動で投稿できる。

自由部門には、予選通過の20チームと海外から参加した5チームの計25チームが出場。同科4年の多米希花さんら5人は、安心・安全なカヤック支援システム「ぱどろーる」を開発し、優秀賞に選ばれた。

カヤックでの海難事故が多発していることから同システムを提案。カヤックに設置したカメラとセンサーで転覆の危険を識別し、万が一の時は緊急メールで通報する。家族や関係者は、航行の様子や現在地をリアルタイムで確認することができる。また、カメラに向かって「はいチーズ」と呼びかけると自動で撮影し、楽しそうな表情をAIが選んで30秒のスライドショーを作成してくれる。

両チームのメンバーがこのほど、鳥羽市役所を訪れ、中村欣一郎市長にW受賞を報告し、システムの内容を説明した。

学生らは「システムを実際に使ってもらいながら改良を重ね、ビジネス化していければ」、「メンバーが協力しながらいいチームに成長し、本選も楽しく終われた」と話した。中村市長は「よくできていて素晴らしい」とたたえた。