山商、リード守り切れず 豊川に逆転サヨナラ負け喫す 秋季東海高校野球・三重県勢

【宇治山田商―豊川 六回裏無死満塁のピンチで救援登板の宇治山田商・田中。見逃し三振、併殺打でこの回追加失点を許さず=28日、岐阜・長良川球場で】

宇治山田商は、勝てば2008年春以来2度目のセンバツ出場が濃厚となる東海大会準決勝で惜敗した。今大会を制した豊川に対して、5―3の2点リードで迎えた九回、土壇場で3点を返され、逆転サヨナラ負けを喫した。

守備の乱れと四球から最終回、豊川に1死一、二塁の場面を作られると、宇治山田商2番手田中がプロも注目する豊川3番モイセエフ・ニキータらから適時打3本を浴び3点を失った。

一回に1点先制した宇治山田商。その後先発の加古と捕手の小泉のバッテリーを中心に粘り強い守備でリードを保ってきた。加古が豊川打線につかまり1点を失った六回には無死満塁のピンチで登板した田中が135キロ台の直球を軸に無失点で切り抜けている。

ただ八回に2点を奪って追い上げる豊川打線の脅威に「攻める気持ち」(田中)が薄れていった。味方の失策で先頭打者を背負った九回の投球は「インコースに投げきれなくて、ちょっと甘く入ってしまった」。「全部自分の実力不足」と悔し涙を浮かべた。

主将の伊藤遊撃手もチーム全体で「受け身になってしまっていた」と反省する。準決勝敗退でも、優勝の豊川、2位の愛工大名電に次ぐ東海3校目でセンバツに出場する可能性は残されているが「仮に出場となったとしても(上位2校と)力の差は歴然」と言い切り「もっと練習して、精神的にも肉体的にも2つくらいステップアップする」とさらなる成長を誓った。