企業の財務改善に向け連携 三重県と県内金融機関が覚書

【事業者支援の覚書を締結した金融機関の代表ら=県庁で】

三重県は26日、中小企業や小規模企業の財務改善に向けて取り組むことを定めた覚書を、県内の金融機関などと締結した。コロナ禍で無利子、無担保の「ゼロゼロ融資」を受けた事業者などの支援で連携する。

県と覚書を締結したのは百五銀行(津市)▽三十三銀行(四日市市)▽桑名三重信用金庫(桑名市)▽北伊勢上野信用金庫(四日市市)▽紀北信用金庫(尾鷲市)▽県信用保証協会(津市)―の6者。

覚書には、ゼロゼロ融資などを受けた県内の中小企業者や小規模企業を連携して支援することで、事業の継続や地域経済の活性化、を図ると明記。事業者支援のノウハウを共有することも明記した。

ゼロゼロ融資が返済の時期を迎えていることや、原材料高の影響を訴える声が相次いでいることなどを受け、県信用保証協会が県に提案したことがきっかけ。金融機関などの賛同を受けて締結に至った。

覚書に基づき、金融機関から信用保証協会に出向した職員や中小企業診断士らが事業者を支援。経営改善に向けた計画が実行されているかどうかを確認し、アドバイスする。支援の事例を共有する報告会も開く。

この日、一見勝之知事や金融機関の代表らが県庁で覚書に署名した。一見知事は「ゼロゼロ融資の返済を迎えた中小企業は非常に苦しい状況。皆さんの審査力や指導力を発揮してもらいたい」と述べた。

百五銀行の杉浦雅和頭取は「新型コロナの影響は一部で回復基調にあるが、依然としてコロナ前の業績には回復していない。具体的かつ有効に支援し、事業者の発展や地域の活性化に取り組む」と述べた。

三十三銀行の渡辺三憲頭取は「官民一体で中小企業を支援する素晴らしい取り組み」とした上で「倒産件数は増えており、苦労している企業が多い。伴走支援で地域の経済に資するよう頑張る」と述べた。