経済効果は98億円、G7三重・伊勢志摩交通大臣会合、閣僚会合では最高額

【一見知事(右から5人目)にG7交通大臣会合の感想を語った生徒ら=津市羽所町で】

三重県は25日、G7三重・伊勢志摩交通大臣会合の「事業実施報告会」をホテルグリーンパーク津(津市羽所町)で開き、会合の経済効果が約98億3228万円に上ると発表した。

県によると、国内で開かれたG7関係閣僚会合の経済効果としては最高額とみられる。これまでの最高額は、平成28年に仙台市で開かれた財務大臣・中央銀行総裁会議の約30億3100万円だった。

交通大臣会合の経済効果のうち、メディアの発信を広告料金に換算したパブリシティー効果は約89億6405万円。開催に向けた公共工事など、県内への経済波及効果は8億6823万円だった。

パブリシティー効果の算出は、企画提案コンペで選んだ電通名鉄コミュニケーションズ三重支社(津市)に委託した。経済波及効果は国や県、志摩市が予算に計上した関連事業費を元に県の統計課が推計した。

県は当初、過去の実績などを踏まえて会合の経済効果を10―30億円と見積もっていた。ウクライナのクブラコフ副首相が参加したことなどにより、当初の見積もりを大幅に上回ったとみられる。

一方、平成28年5月に開かれたG7伊勢志摩サミット(主要国首脳会議)の5657億円は大幅に下回った。今年5月に開かれたG7広島サミットの経済効果は一兆1698億円だった。

一見勝之知事は報告会後の記者会見で、交通大臣会合の経済効果について「非常に大きな宣伝効果があった。素晴らしい自然をバックに開かれ、多くの所で報道されたからだと思う」などと語った。

この日の報告会は、県や関係市町などでつくる会合の推進協議会が開き、関係者約60人が出席。各国の大臣を案内するなどした中学生や高校生が「多くの刺激を受け、良い経験になった」などと振り返った。