三重大病院元准教授の保険医登録取り消し 厚労省東海北陸厚生局

薬剤を患者に投与したと装って診療報酬を不正に請求させたとして、厚労省東海北陸厚生局は12日、健康保険法に基づき、三重大病院元准教授、境倫宏医師(51)の保険医登録を取り消す行政処分を出した。

同局によると、境医師は手術中の緊急措置などに使う「オノアクト」と呼ばれる薬剤を実際には使っていないにもかかわらず、使用したようにシステムに入力し、診療報酬を不正に請求させていた。

境医師が詐欺などの罪で懲役2年6月、執行猶予4年の有罪判決を受けたことなどが処分の理由。11日に開いた厚労相の諮問機関「東海北陸地方社会保険医療協議会」の答申を踏まえて処分を決めた。

監査によって判明した不正請求は平成30年1月分から令和3年2月分までの406件で、約544万5千円に上るという。同局は「原則として五年間は保険医の再登録をしない」としている。