花の窟神社で「お綱かけ神事」 熊野、170メートル綱張り渡し舞奉納 三重

【花の窟神社のお綱かけ神事=熊野市有馬町で】

【熊野】三重県熊野市有馬町の花の窟(いわや)神社で2日、「お綱かけ神事」があった。ご神体の高さ約45メートルの巨岩から長さ約170メートルの綱を境内へ張り渡した。

同神社は世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」に登録されている。同神事は県無形民俗文化財に指定され、毎年2、10月の例大祭で行う。

氏子らがご神体の岩に登り、綱を引き上げ固定した後、参拝者らは綱を持って海に向かって引っ張った。国道42号を渡り、七里御浜海岸を歩き、綱を伸ばし、境内に立つ柱にくくりつけた。綱にはわら縄で作った旗をつるし、旗の先に花を飾った。綱を付け替えた後は舞を奉納した。

日本書記に「伊弉冉尊(いざなみのみこと)、火神を生む時に、灼(や)かれて神退去(かむさ)りましぬ。故(かれ)、紀伊国の熊野の有馬村に葬りまつる」「花を以(も)て祭る。又鼓吹幡旗(つづみふえはた)を用(も)て、歌ひ舞ひて祭る」とある。