地域包括ケア病床を中心に 松阪市民病院の在り方検証委が答申

【竹上市長(左)に答申する平岡委員長(中央)ら=松阪市役所で】

【松阪】有識者でつくる「地域医療構想をふまえた松阪市民病院の在り方検証委員会」の平岡直人委員長は29日、三重県の松阪市役所で竹上真人市長に、同病院(殿町、畑地治院長)について指定管理者制度の活用と地域包括ケア病床を中心とする病院への機能転換を答申した。指定管理者の候補として松阪中央総合病院(川井町)と済生会松阪総合病院(朝日町一区)を挙げた。

同市は令和2年2月、諮問機関から松阪市民病院について指定管理者の導入や地域包括ケア病床中心への転換を提言された。今回の委員会はコロナ禍や医師の働き方改革などを受け、前回の提言を検証するため設置した。松阪地区医師会の平岡会長や畑地院長ら九人が入り、6月18日から9月22日まで4回開いた。

答申は「松阪市民病院は地域包括ケア病床を中心とした病院に機能転換」「松阪中央総合病院または済生会松阪総合病院のいずれかによる指定管理者制度を活用することが望ましい」としている。

地域包括ケア病床は急性期の治療後の生活復帰に向けた治療やリハビリを提供する。救急医療を含めた急性期から、療養や介護に対応した機能への転換を求めた。

平岡委員長は「前回の提言を大筋で踏襲した。経営形態の見直しでは、畑地院長もモチベーションが高い職員をこれからも集めていくには、むしろ望ましいだろうと同意した」と話した。

竹上市長は「答申に沿って意志決定していきたい」と述べた。