2023年9月26日(火)

▼愛知県が昨年末、11月27日を「あいち県民の日」と定め、合わせて同日前後の1日を「県民の日学校ホリデー」とすることにして県内市町村教委に協力も要請した問題で、同意して同月24日を休校日にしていた名古屋市の河村たかし市長が10日になって離脱を表明した。別に市独自の学校休業日を制定するという

▼愛知県の誕生は旧名古屋県の消滅を意味し、何で祝わんきゃならんの、という独自の主張を展開した上、県の一方的制度には参加できないとして、河村市長は同制度や学校ホリデーについて「極めて政治的な主張なんですよ、これ」。対する大村秀章愛知県知事も「政治的な思惑で言われるんでしょうけれども、ちょっとそういうのは」

▼時ならぬ“政治的”論争勃発だが、市民は「知事と市長が仲悪いだけじゃ」。子どもが休みになることで「働くひとり親を苦しめる」という河村市長の主張も、「保護者の有給休暇取得を促す仕組み」を作るという大村知事の狙いもまともに受け止めてはいないようだ

▼「何を今さら怒っているの」と市職員も冷ややかというから、大県・市の隣県民としてもまことに嘆かわしい。「都道県の日」を定める17都道県のうち、学校を休校にしているのは7都県と少数派で、三重県など10道県は通常通り

▼三重県は県政100周年の記念事業の一環として昭和51年に定めたが、特に目的があってのことではないから目立ったことはしてきていない。県民功労者表彰に、近年は県施設の無料開放が。県立博物館の賑わいを見ると、これも分相応な、立派な「県民の日」行事である。