ヴィソンなど3件に補助金 「周遊型観光」ルート構築で三重県

【定例記者会見で、補助金の支出先を発表する一見知事=県庁で】

一見勝之三重県知事は21日の定例記者会見で、宿泊先を変えながら複数の名所などを訪れる「周遊型観光」のルートを県内に構築する補助金の支出先として、多気町の「ヴィソン多気」などが申請した3件を採択したと発表した。年内にもルートを整備する方針。

県によると、ヴィソン多気が申請したのは「南三重へのいざない」などと題したテーマで、同町の商業リゾート施設「VISON(ヴィソン)」を軸に県南部を巡る。三重交通や御木本真珠島などが参画している。

亀山市の「DMOカメヤマモデル」が申請したルートは、関ドライブイン(同市)を起点に大紀町や明和町のキャンプ場を巡る。中京・関西圏のバイカーや家族連れをターゲットにしている。

このほか、明和町の「明和観光商社」は心身共にリラックスできる「ウェルネスツーリズム」をテーマに申請。明和町を周遊して熊野市に至るルートで、セラピーやアクティビティーを盛り込んだ。

観光ルートの構築は、観光消費額の増加を目的とした新規事業。県は本年度の一般会計当初予算で事業費として6億7千万円を計上し、5月から申請を募っていた。申請は3件だけだったという。

県は宿泊施設の改修や交通の実証実験、看板の設置など、ルートの整備費を補助する。補助の総額は約2億4千万円を想定。完成後は旅行のプランとして取り入れるよう、旅行会社などに働き掛ける。

一見知事は「県内を訪れる観光客の宿泊日数は少ない。長く滞在してもらえるようにしたい」と述べ、周遊型観光を普及させる必要性を強調。バスやタクシーなど、二次交通の確保に努める考えも示した。