2023年9月21日(木)

▼統計のたぐいは信用ならぬと書いたばかりで気が引けるが、どんなデータを使い、分析をしたにしろ、全都道府県中、県が44位というのはどうしたことか

▼積水ハウスが男性の家事・育児力を調査した結果、首位は昨年同様高知県で佐賀、福島、島根と続き、三重は44位というのである。家事、育児に費やす時間がとにかく短いらしい。前県政のことだが、鈴木英敬知事がベストファーザー賞を受賞したのは周知の通り。すてきなパパというよりは、男性の育児参加を奨励する姿勢を評価された

▼知事の号令一下、例によって管理職らは部下の動向を監視し、子どものいない職員にまで育児休暇をとらせていやがられたなどの話が伝わっていて、育休取得率がはねあがった。民間企業にも、その輪は広がって、県のリーダーシップのもと、県全体の取得率やイクメン男子の増加が進むと、前知事は胸を張ったものだ

▼積水ハウスの調査も、育休取得日数や家事・育児時間など5項目を数値化した。単純比較はできないが、前県政当時は額面通り全国上位にいたとして、元のもくあみからさらに下落したことになる。県職員は一度獲得した権利を手放さぬだろうから、民間への普及が停止したということだろう

▼かつて北川県政時代、オンブズマンによる情報公開の都道府県ランキングが中位だからと一気にトップへ押し上げたことがある。「原則公開」と各部長らは断言していたが、今は審議委員に公開を命じられることもしばしば。知事に盲従し、交代で元のもくあみという現象は、新たな県の伝統になりつつある。