カザフ労苦、抑留跡地訪問 日本人慰霊 鈴鹿で写真など報告展

【カザフスタン慰霊訪問時の様子を紹介する杉谷副支部長=鈴鹿市江島本町の白子公民館で】

【鈴鹿】三重県鈴鹿市江島本町の白子公民館で19日、令和5年度「シベリア抑留慰霊訪問 旧ソ連邦カザフスタン班報告展~日本人強制抑留中の労苦跡地訪問・慰霊碑巡拝」が始まった。10月31日まで。

9月3日から7日間の日程で墓参団に参加した全国強制抑留者協会三重県支部副支部長で訪問団長を務めた杉谷哲也さん(80)が撮影した写真55点と墓前や慰霊碑前で読み上げた追悼文、現地の状況説明などを展示している。

日本人抑留者らが建設工事に携わり、今も使われているカラガンダの劇場、現在は博物館になっている女子収容所「祖国への裏切り者の妻アクモラ(現アスタナ)キャンプ」跡、アルマトイの街中にある公園の慰霊碑に花を手向けて祈る団員ら、公園に憩う現地の人々との交流の様子を捉えた写真も展示されている。

旧ソ連スターリン時代、極寒の地カザフスタンには約5万人の日本人兵士らが抑留され、亡くなった1460余人中、遺骨が収容されたのは3割に満たないという。

杉谷副支部長は「日本人抑留者の功績が、カザフスタンの人々に語り継がれていることに慰められた。強制抑留問題の風化が進む中、若い世代に伝えていくことの大切さをより強く感じた」と語った。同支部から沖美幸さん(81)と玉野香代美さん(65)が慰霊訪問に参加した。