津の「猪の倉」が破産開始決定 温泉施設、負債8億8千万円

東京商工リサーチ津支店は15日、三重県津市白山町佐田の複合娯楽施設「猪の倉温泉」を運営する「猪の倉」が、津地裁から破産開始決定を受けたと発表した。決定は5日付。負債総額は約8億8千万円。

支店によると、猪の倉温泉は、同社が第三セクターから買収して平成17年に完全民営化。過去には4億円以上の年商を計上していたが、新型コロナウイルスの影響で来客数が大幅に落ち込んでいた。

実質無利子・無担保のゼロゼロ融資や雇用調整助成金で事業の継続を図るも、光熱費の高騰などによって採算が確保できず、資金繰りが悪化し、給料の未払いが発生。取引先への支払いも遅れていた。

猪の倉温泉のうち、日帰り温泉施設「しさらぎ苑」は昨年5月から休館。今年2月ごろからは、宿泊施設の「ふよう荘」も臨時休館し、実質的には休業状態だった。