「三重テラス」10周年リニューアル 魅力アップで県産品販路拡大 首都圏営業拠点

【三重テラスの1階物販スペース=東京都中央区の三重テラスで】

三重の魅力を発信する県の首都圏営業拠点「三重テラス」(東京都中央区日本橋室町)が16日、リニューアルオープンした。

平成25年9月の開設から10周年を迎え、三重の魅力をより効果的に発信し首都圏からの誘客や県産品の販路拡大、首都圏との交流促進を目的に改装した。

リニューアルでは、1階に総合案内を開設し、コンシェルジュが常駐して三重の観光案内などワンストップ窓口で対応。これまで1階物販コーナーとレストランの間にあった仕切りを取り除いて行き来しやすくし、棚の配置を変えて通路幅を広げ、ゆとりを持って商品を見ることができるようにした。

1階ショップでは季節を感じてもらえるよう、旬をテーマに商品を取りそろえて販売。商品の背景やストーリーが伝わるような情報発信を工夫した。酒の取り扱いを増やした。

レストランは和食の料理人を中心に、県内各地の郷土料理や県産食材を利用したメニューを提供。カウンターテーブルを導入し、会話の中で料理人が食の魅力を伝えていく。伊勢の朔日(ついたち)参りに合わせ、毎月1日に旬の食材を使った「朔日粥」を提供し、三重の食文化も発信する。

2階のイベントスペースにはコワーキングスペースを新設。コミュニティ・マネージャーを配置し、県ゆかりの人らの交流を促進する。

オープンを前に、一見勝之知事、中森博文県議会議長、中村欣一郎県市長会副会長、西田健県町村会会長、新堂弘幸東京三重県人会会長らでテープカットをして祝った。

【テープカットする関係者ら=東京都中央区日本橋室町の三重テラスで】

一見知事はあいさつで、改装のポイント三つを挙げ「食をはじめ県産品を取りそろえ、カウンターやテーブルには県産のヒノキやスギを使用するなど三重らしさを感じてもらえるようにした。もう一つは、三重の旬を感じてもらえるよう、入ってすぐのところにその土地のその時のものを置いた。三つ目は、2階のイベントスペースを交流スペースにした」と説明。

「三重県を愛する人やゆかりの人が集まり情報交換する場にしてもらいたい。そして多くの人が三重に来てもらうことを心からお願いしたい」と述べた。

オープン前から並んでいた、志摩市出身で都内在住の20代男性は「リニューアル前から何度か来ている。物販スペースは以前と比べすっきりとして品物を選びやすい。県出身者とつながりができればと思っていたので、近くにきたらフラッと立ち寄りたい」と話していた。

またこの日は「一日店長」としてレゲエグループ「湘南乃風」のSHOCK EYEさん、伊勢市出身の俳優金谷みひろさん、タレントの堀口文宏さんが接客した。3人のトークライブもあり、県の魅力が語られた。

17日は土楽窯(伊賀市丸柱)七代目の福森雅武さんとコピーライターの糸井重里さんが、三重の自然や食などをテーマに対談。18日は名張市出身のギタリスト竹田京右さんや伊勢市出身のサックスプレーヤー、ユッコ・ミラーさんら県出身アーティストによる音楽イベントが開かれる。23、24日は2階で、伊勢の人気の「赤福氷」が日本橋に初登場する特別企画もある。

三重テラスは28日でちょうど10周年となる。7月18日から内装工事のため休館していた。運営は令和10年3月末まで、日本旅行などの共同事業体(総合案内など)と伊勢福(ショップ・レストラン)が行う。