思い出詰まった駄菓子店、きょう閉店 鈴鹿、惜しむ買い物客次々と 三重

【会計をしながら買い物に来た子どもと話す大塚さん(左)=鈴鹿市神戸6丁目で】

【鈴鹿】三重県鈴鹿市神戸六丁目のあいづや菓子店が、31日に閉店する。70年以上にわたって営んできた同店との別れを惜しむ買い物客が、連日後を絶たない。店主の大塚歳子さん(73)は「いろんな人との出会いがあり、どれもいい思い出。残りの人生はゆっくりと過ごしたい」と話す。

夫の母親が戦後に開業。地元の人たちからは「あいづや」として親しまれ、店頭販売のほか保育園のおやつ用などとして商品を納品してきた。駄菓子を中心に、これまでに約1000点の商品を扱ってきたという。

駄菓子の卸し問屋が減り、流通が難しくなったことなどから閉店を決めた。

閉店を知った人たちがSNS(交流サイト)などを通じて情報を拡散。店内の商品はすでにほとんど売り切れてしまったが、30日も次々と人が訪れ、大塚さんと一緒に記念撮影したり、お別れを言いに来た買い物客でにぎわっていた。同市神戸一丁目の会社役員鈴木毅彦さん(55)は「親子三代でお世話になった店なので泣きそう」と話した。

近くに住む末松則子市長も、子どものころからよく利用していた。今月中旬に地元の仲間とのラインで閉店を知ったとし「神戸のまちのシンボルが一つなくなるのはさみしいが、長年子どもたちの見守りをしていただき、ありがとうとお疲れさまでしたを伝えたい」と話した。