気迫の演武「剣祖祭」 愛洲移香斎の偉業たたえる 三重・南伊勢町

【気迫のこもった演武を奉納する参加者ら=南伊勢町五ケ所浦の五ケ所城跡で】

【度会郡】剣術の源流の一つ「愛洲影流」を編み出した愛洲移香斎久忠(1452―1538年)の偉業をたたえる「剣祖祭」(同実行委員会主催)が27日、三重県南伊勢町五ケ所浦の五ケ所城跡であった。コロナ禍での中止を経て昨年は規模を縮小して開催したが、今年は4年ぶりに全国から剣士が集まり、気迫のこもった演武を奉納した。

愛洲移香斎は五ケ所城を拠点とした伊勢の豪族「愛洲氏」の一族で、剣道の始祖。多くの人に功績を伝えようと、剣祖祭や移香斎をしのぶ式典「愛洲氏顕彰祭」(愛洲氏顕彰会主催・中村辰生会長)を生誕地の同町で開いている。

この日は、県内外の19団体や各地区の子どもら約120人が参加。同顕彰祭の式典が行われた後、参加者らは木刀や真剣、なぎなたを使い、各流派に伝わる居合や形などを披露した。子どもらによる野試合や剣道大会、奉納稽古も行われた。

西岡孝夫委員長は「今年は従来通りの剣祖祭に戻り、趣のある五ケ所城跡で全国から集まった大勢の剣士に気迫のある演武を奉納してもらい、うれしく思う」と話していた。