無投票一転、一騎打ち 松阪市長選が告示 三重

【(右から)小西彦治氏と竹上真人氏】

【松阪】任期満了(10月3日)に伴う三重県の松阪市長選は27日告示され、新人の会社役員小西彦治氏(51)=兵庫県伊丹市春日丘=と、現職の竹上真人氏(60)=松阪市石津町=(届け出順)の無所属2人が立候補した。

無投票とみられたが、立候補届出事前審査をしていた市選挙管理委員会に8月24日、小西氏の届出書が郵送され、急きょ、選挙戦となった。

竹上氏は県職員を経て平成15年に県議選に初当選し、3期目の同25年に市長選へ立候補して落選。同27年の市長選で初当選し、令和元年に再選した。

小西氏は平成23年の伊丹市議選、同27年の兵庫県議選にそれぞれ初当選し、同31年の同市議選で再選。今年4月に同県議選と同市議選に落選した。

投票は9月3日午前7時から午後8時まで、61カ所で。開票は同日午後9時半から、同市曽原町のハートフルみくもスポーツ文化センターで。

期日前投票は8月28日から9月2日まで、市役所や地域振興局で。

8月26日現在の選挙人名簿登録者数は13万844人(男性6万2445人、女性6万8399人)。

小西氏「選挙は変わってきている」

松阪市役所に車で来て、立候補を届け出た。松阪市に来たのは立候補届け出書を市選挙管理委員会へ取りに来た21日に次いで、人生2度目という。

兵庫県議を1期、伊丹市議を2期務めた。今年4月の同県議選と同市議選に落選した。

報道陣の取材に応じ、「地方議員を12年して議員での限界を感じ、1年前から首長選を考えていた。全国的に可能性がある場所で挑戦しようと7月末に出馬を決めた。大きい都市では候補者が乱立して勝ちにくいので、政令指定都市と中核市を除き調査した」「無投票の可能性が高く陣営が『ない』と思っているところに切り込む。旧態依然の選挙は変わってきている」と話した。

また「松阪とゆかりは全くない。あかんかったとしても、首長の可能性がある所で自分の主張を訴えていく」「勝ち負けに関わらず、負けたら次の所にいくという感じ」と語る。

落選した場合の次の出馬先は「あるが、それは言えない。1カ月に1回の早いペースで」と述べた。三重県外という。

選挙期間中はホテルに滞在。1人で掲示板にポスターを貼る。

竹上氏「元気な松阪市にしていく」

竹上氏は松阪市田村町の商業施設駐車場で出陣式を開いた。約700人(主催者発表)が集まり、気勢を上げた。

来賓の一見勝之知事は「中学高校の同級生。竹上君には実行力とふるさとを愛する心という資質がある。松阪を愛する気持ちが問われる選挙」と訴えた。

自民党県連会長の田村憲久衆院議員は「私は中学の後輩。投票率をいかに上げていくか。圧倒的な勝利が求められる戦い」と支持を呼びかけた。

来賓には他に公明党県本部代表の中川康洋衆院議員や連合三重の番条喜芳会長をはじめ、前葉泰幸津市長や鈴木健一伊勢市長ら近隣市町長、県議、市議らが出席した。

竹上氏は相手候補が兵庫県伊丹市から出馬しているため、「戸惑う選挙。松阪市のことは松阪市に住むわれわれで決めていきましょうというのが地方自治。地方自治、民主主義に挑戦しているように思う。住んでいるまちを自分たちでよくしていこう」と訴え、「公約を一口で言えば、元気な松阪市にしていくこと」と決意表明した。

全員で「頑張ろう」を三唱した後、街宣カーに乗り込み出発した。