安否不明者氏名を原則公表へ 災害時、三重県が方針

三重県は22日、災害時の安否不明者や行方不明者の氏名を原則として公表する新たな方針を発表した。家族の同意が条件だった従来の方針を見直した。一方、死者は引き続き遺族の同意を条件としている。

県が令和2年2月に定めた方針は、大規模災害時以外の氏名公表を家族の同意がある場合に限っていた。一方、国は今年3月、救助活動の効率化につながるとし、自治体に公表を促す指針をまとめていた。

県は国の指針を踏まえて見直しを検討。新たな方針は災害の規模に関わらず、救助活動の効率化や円滑化につながる場合は、家族の同意なしに安否不明者と行方不明者の氏名を公表すると定めた。

防災対策部は方針を見直した理由について「氏名を公表すれば捜索の対象者を絞り込めるため」と説明。「災害時には氏名を早く公表したい。市町と連携し、迅速な対応に努める」としている。

一方、ストーカーやDV(家庭内暴力)の被害者など、住民基本台帳の閲覧を制限している人の氏名は公表しない。死者については「救助活動が効率化する可能性は低い」とし、遺族の同意を条件とする。