2023年8月19日(土)

▼お盆休みは海外旅行の出国ラッシュで始まり、帰国ラッシュで終わる。これがコロナ禍前までの空港の日常光景だった。しかし今年は違う。見かけるのはインバウンド外国人ばかりで出国日本人の姿は少ない

▼JTBの調査によると、今年の夏(7月15日~8月31日)の出国者数は、コロナ前の4割程度、約120万人に落ち込んでいる。このペースでいくと、海外旅行は年間で1千万人にも満たなくなる。これは2019年の約2千万人の半分以下。いまや海外旅行は「高嶺の花」になった

▼海外旅行の人気先も変わった。1位のハワイは転落し、韓国にとって代わられた。台湾、タイなどのアジア諸国が上位にきて、欧米は軒並み順位を下げた。円安、サーチャージなどで費用がかさみ、欧米ははるかに遠くなった

▼ただし、各種アンケート調査によると日本人の海外旅行熱は冷めていない。行きたいのに行けない。行けるのは「安近短」の近場だけということ

▼成田、羽田、関空の光景は途上国の空港の光景に似てきている。自国民より外国人のほうが多い。日本は本当にガラパゴスになった。