強風で転倒、6人けが 台風7号三重県内被害

【台風7号の接近で風が強まり荒れる津の海岸=市内で】

台風7号の接近に伴い、三重県内は14日から15日にかけて断続的に強い風が吹き、雨が降り続いた。強風にあおられ転倒するなどして、津市や熊野市などで40代―80代の男女6人が軽傷を負った。

名張で浸水、熊野で土砂崩れ、5万8000戸停電

名張市では住宅2棟が床下浸水。熊野市では国道311号で土砂崩れが発生した。また津市や名張市、熊野市などの約5万8千戸で停電が発生。伊賀市上津地区96戸で断水した。尾鷲港、九鬼漁港、賀田湾では漁船など12隻に沈没や転覆などの被害が確認された。

大雨や倒木などの影響で国道や県道で通行止めが発生。鉄道もJRや近鉄などの多くの路線で始発から運転を見合わせたほか、津エアポートラインや伊勢湾フェリーなども休航した。

津地方気象台によると、15日午後4時までの県内の主な最大瞬間風速は、紀北町紀伊長島31・7メートル▽津30・6メートル▽上野29・7メートル―。降り始めからの雨量は大台町宮川643・0ミリ▽松阪市粥見300・0ミリ▽紀北町紀伊長島269・0ミリ―。

午後4時現在、台風7号は近畿地方を北上しており、次第に県から遠ざかる見込み。一方で、16日は台風の影響で雨が降りやすい状況が続く。

予想される1時間雨量は北中部で30ミリ、南部で40ミリ、同日午後6時までの24時間雨量は北中部で100ミリ、南部で120ミリ。線状降水帯が発生して局地的に雨量が増えるおそれもある。

気象台はこれまでの大雨により地盤が緩んでいる所や、増水している河川があるとして、引き続き土砂災害や河川の増水などに警戒するよう呼びかけている。