鳥羽の方言、かるたで後世に 地元有志制作、無償貸与へ 三重

【完成したかるたを紹介する小林会長(中央)ら「鳥羽方言カルタの会」のメンバー=鳥羽市大明東町の市保健福祉センターひだまりで】

【鳥羽】三重県鳥羽市の方言を後世に伝えようと、市の老人クラブ連合会とボランティア連絡協議会の有志7人らが、「鳥羽方言かるた」を制作した。今後は市内の小中学校や福祉施設、ボランティア団体などに無償貸与する予定。同連合会の小林千代太郎会長は「郷土愛を育み、世代間交流を行うきっかけとして活用してもらえれば」と話している。

令和3年春、「伊勢方言かるた」が市内の高齢者サロンの参加者に好評だったという話を聞いた市社会福祉協議会の職員が、市民の郷土愛を深めるツールとして鳥羽の方言かるたを作れないかと、小林会長に相談。同連合会が失われつつある方言を残そうと、各地区で聞き取りを行い制作した方言集を活用し、かるたを作ることにした。

同協議会にも協力を呼びかけて集まった有志7人が、同年10月に「鳥羽方言カルタの会」を設立。会議を重ね、方言を選定したり読み札の文章を考えたりして制作を進め、三重ボランティア基金などを活用して約160部を作った。

かるたは読み札と色彩豊かなイラストの絵札の45組。1枚が縦13センチ、横9・5センチで、高齢者が取りやすいよう通常のかるたより大きいサイズにした。方言から始まる読み札は、「うるくさ(青あざ)を つくってあんた なとしたん」「ほうばい(親友)は かけがえのない 宝物」「なぶら(魚群)来た 皆に知らせよ 大漁だ」など、五・七・五のリズムにした。

有志らは「鳥羽の方言は漁村地域では日常会話で残っているが、子どもたちは使わなくなっている。かるたを通して地域の方言を知り、楽しんでもらいたい」と話した。