「多様性に気づき違い認められる場所に」 津の「チルドレンハウスひびうた」 夏休み昼食100円や工作体験

【スタッフと共に思い思いに過ごす子ら=津市久居新町の「チルドレンハウスひびうた」で】

【津】三重県津市久居新町に、18歳以下の子が誰でも利用できる「チルドレンハウスひびうた」がある。2階建ての民家を改修し、自由に過ごせる畳の部屋に駄菓子コーナーや子ども文庫もある。夏休み期間中は昼食を百円で提供し日替わりの工作体験などを企画。久居地区で福祉サービスや文化事業を展開する大東悠二代表(37)は「体験を通じて自分の多様性に気づき、違いを認められる場所にしたい」と話す。

【「チルドレンハウスひびうた」を立ち上げた大東さん=津市久居新町で】

大東さんは平成27年にコミュニティハウスを立ち上げ、生きづらさを感じる人の居場所作りや障害者の就労を支援する中で「違いがあるとわかり合えない場面がある。小さいうちから一緒に育てば大人になったとき生きやすい」と、7月に同ハウスを立ち上げた。

自転車で来て終日過ごす子や、保護者の送迎で午前で帰る子など利用の仕方はさまざま。子どもたちはスタッフと一緒に昼食を取った後、駄菓子を買ったりオルガンを弾いたり伸び伸びと過ごす。

午後には絵本作りやお菓子作りなど毎日イベントを企画。同ハウスから歩いて行ける場所にある同じ運営母体のカフェや書店で仕事に挑戦することもある。家庭環境に左右されず、感動できる体験の場を提供したい思いがあるという。

子どもたちは「ここでは自由にできるから楽しい」「会ったことない人と遊べる」と話す。利用する子の中には特別支援学級に在籍する子もおり、9月からはこの場所で障害や発達特性のある子が通う放課後等デイサービス事業を始めるが、対象者でなくとも18歳以下の誰もが利用できる形は維持する。

大東さんは「差別や偏見は大人になる中で培われる。言葉でなく体験を通じて『違いもあるけど同じ部分もある』と感じてほしい」と話している。

営業時間は8月が火―土曜午前10時―午後4時(22日は休み)、9月が火―金曜午後1時―同6時、土曜午前10時―午後4時。問い合わせはひびうた=059(202)1591=へ。