きょう紀伊半島上陸見込み 台風7号、紀宝町で避難指示

【記者会見で台風7号への警戒を呼びかける一見知事=県庁で】

強い台風7号は15日、暴風を伴って紀伊半島に上陸する見込み。三重県内でも局地的な豪雨をもたらす「線状降水帯」が発生する可能性があり、県は早めの避難や停電への備えなどを呼びかけている。

津地方気象台によると、台風7号は14日午後5時現在、潮岬の南東150キロにあり、時速約15キロで北西に進んでいる。中心気圧は970ヘクトパスカル、最大風速は35メートル、最大瞬間風速は50メートルとなっている。

15日に予想される一時間雨量は北中部で50ミリ、南部で80ミリ、同日午後6時までの24時間雨量は北中部で300ミリ、南部で450ミリ。南部の陸上では45メートルの最大瞬間風速が予想される。

県によると、14日午後6時までに紀宝町が「警戒レベル4」(避難指示)、9市町が「警戒レベル3」(高齢者等避難)を発令。熊野市などの10市町で233世帯276人が避難している。

一方、伊勢市の辻久留町と前山町では14日午後、570戸が最大で約2時間にわたって停電したが、中部電力は「鳥がトランス(変圧器)に果物の皮を落としたことが原因とみられる」としている。

JR東海は14日夕から紀勢本線や参宮線などの運行を取りやめた。15日は終日、県内の全線で運転を見合わせる。近鉄も大阪線の一部区間を除き、15日は県内での運転を始発から見合わせる。

紀勢自動車道は15日午前6時から通行止めの見込み。新名神高速道路や伊勢湾岸自動車道なども同日午後からの通行止めが見込まれる。津エアポートラインと伊勢湾フェリーは15日の便を全て欠航する。

県は13日午後、台風7号の接近に備えて臨時庁議を開催。県幹部らが気象台の担当者から台風の状況について説明を受けた後、引き続き情報収集や県民への注意喚起に当たることなどを確認した。

一見勝之知事は会議後の記者会見で「台風が県内を直撃する可能性がある」と強調し、平成23年に発生した台風12号による紀伊半島大水害の被害を紹介。避難所や備蓄品の確認を県民に呼びかけた。

台風の接近が行楽期と重なることを踏まえ、観光客や帰省者には「事前に情報を収集して対応を考えてほしい」と要請。「停電の可能性もある」とし、携帯電話の充電器なども備えるよう呼びかけた。