【度会郡】三重県玉城町は町民らの健康寿命を延ばそうと、加齢によって心身の活力が低下した状態「フレイル」を予防する取り組みに力を入れている。本年度は地域の健康づくりの担い手として活動するフレイルサポーターを養成し、高齢者らのフレイルチェックを実施。現在の心身の状態を把握し、自分に合った活動に取り組んでもらうよう啓発を行っていく。
今年2月、同町でフレイル予防の講演会が開かれたことをきっかけに、町地域共生室が中心となって取り組みを実施。4月には、同町の健康しあわせ委員らが養成講座を受講し、29人のフレイルサポーターが誕生した。
同町ではこれまで、健康寿命を延ばす目的で高齢者らを対象とした「元気づくり会」を町内35カ所の公民館などで週2回開き、体操やストレッチ、球技、筋力トレーニングを行っていたが、コロナ禍で2―3年ほど思うような活動ができていなかったという。
今回は高齢者らに現在の健康状態を知ってもらい、フレイル予防につなげようと、7月から地域共生室の職員と同サポーター、保健師が同会を1カ所ずつ回り、フレイルチェックを行っている。
8月上旬に新田町地区学習等供用施設で同会があり、18人が参加した。保健師から説明を受けた後、健康管理や口の中の状態、人とのつながりなどのアンケートに回答。握力や滑舌、手足の筋肉量、ふくらはぎの周囲を測定し、椅子に座って片足で立ち上がるテストなどを実施した。
80代女性は「こういう機会はなかなかないので自分の体のことが分かっていいと思う。結果の悪い所は良くなるように努力したい」、地域共生室の西野珠代室長補佐は「フレイルを早期に発見し、予防に努めてもらえるように今後も啓発をしていきます」と話した。