明星地区の古代の暮らし展 明和町ふるさと会館で企画展 三重

【焼成失敗品(右下)を含む出土した土師器=明和町馬之上の同町ふるさと会館で】

【多気郡】三重県の明和町はこのほど、同町馬之上の同町ふるさと会館2階特別展示室で企画展「明星地区の古代の暮らし~上野、本郷、下有爾~」を始めた。観覧無料。会期は27日まで。

明星地区は古代の有爾郷に含まれ、斎宮のあった多気郷の東隣に位置する。昭和51年に全国で初めて土師(はじ)器焼成坑が見つかった国史跡水池土器製作遺跡がある。焼成坑の遺構は同地区を中心に同町で500基以上判明している。焼いた土師器は伊勢神宮や斎宮で使われたとみられる。

展示会では平成26―31年に宅地造成や病院の建築に伴い発掘調査した安養寺跡、本郷遺跡、水池・黒土遺跡を取り上げる。本郷遺跡で初めて平安時代の土師器焼成坑を確認した。二等辺三角形に掘り下げた焼成坑遺構の形の移り変わりをたどる。

高坏や皿などの出土品を焼成失敗品を含め展示。指で押さえた作り方を拡大鏡で示し、土器の形の変化で時代の前後関係を調べる手法を紹介している。