「おいせうし」味わって おいせ畜産、新ブランド牛の出荷開始 三重

【おいせうしを使ったローストビーフや牛カツサンドなどを紹介する岡田さん=伊勢市のボンヴィヴァンで】

【伊勢】三重県大紀町で黒毛和牛を肥育、加工販売する「おいせ畜産」(本社・津市)は、独自配合飼料で育てあげた新ブランド「おいせうし」の出荷を始めた。上質のサシ(脂身)と肉本来のうま味、風味が特徴で「伊勢の国の新しいブランドに」との思いを込めた。同社代表の岡田秦名(はるな)さん(27)は「食の安心安全にこだわった。愛情を込め、自信を持って育てた牛肉を日本中、世界中の人に味わってほしい」と笑顔で話す。

岡田さんが畜産に携わるようになったのは、2019年、畜産業の夫裕城さん(41)との結婚がきっかけ。「大きくてかわいい」と牛を育てる中で、独自のブランドをつくりたいと思いが芽生え、裕城さんと二人三脚で開発に取り組んだ。食品廃棄物をいかした飼料を研究し、味覚センサーで肉のうま味を数値化して分析するなど、試行錯誤。今月、同社を立ち上げ、出荷を開始した。

300坪の畜舎で約100頭を肥育。米ぬかやキノコの菌床、小麦ふすまなどを独自にブレンドしたエコフィード(飼料)を、一頭一頭の体調をみながら毎日手作業で与える。合わせて低農薬の稲わらをたっぷり与えることで、質のいい脂に仕上げるという。

【おいせうしのにぎりや巻き寿司】

伊勢市の老舗フレンチ店でこのほど、関係者に向けた発表会が開かれ、さまざまな部位をいかした料理が並んだ。岡田さんは「脂がきれいで、味がしっかりしているのにすっきりしている。子ども食堂に提供して、子どもたちにも食べてもらいたい」と話していた。