戦没者ら約5万3千人を追悼 三重県式典に遺族ら380人

【戦没者追悼式で献花する参列者ら=津市一身田上津部田で】

三重県は3日、本年度の戦没者追悼式を津市一身田上津部田の県総合文化センターで開いた。遺族を中心に約380人が参列し、黙とうや献花で太平洋戦争などの戦没者ら約5万3千人を悼んだ。

県によると、全国戦没者追悼式に合わせて昭和41年度から実施し、58回目。例年は約800人が参列するが、令和2年度からは新型コロナウイルスの感染拡大防止を目的に規模を縮小している。

一見勝之知事は式辞で、島田叡沖縄県知事(当時)が県庁解散時、職員に「命は宝、生き抜け」と伝えていたと紹介。「ふるさとや家族、国を守るために命を捧げた戦没者に哀悼の意を表する」と述べた。

「先の大戦で非戦に向けて政治は十分に機能したのか」と指摘。「そうした反省に立ったとき、二度と戦争を起こさないという政治家の覚悟が問われる。平和への誓いを胸に力の限り尽くす」と述べた。

昭和18年8月にニューギニア島で祖父の山口末吉さん=享年(35)=を亡くした久喜さん(70)=四日市市=が遺族を代表して「追悼のことば」を述べた後、童謡「故郷(ふるさと)」を歌った。