4教科で全国平均下回る 学力テストの正答率、三重県教委が結果公表

三重県教委は31日、小学6年と中学3年を対象に実施した本年度の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果を公表した。県内の平均正答率は中学の数学を除く4教科で全国平均を下回った。授業以外での学習や読書の時間も全国平均を下回った。

県教委によると、調査は4月18日に実施した。県内では343校の小学生1万4904人が国語と算数、153校の中学生1万4745人が国語、数学、英語のテストを受けた。

小学校の平均正答率は、国語が66・9%(全国平均67・2%)。算数は61・8%(同62・5%)。共に全国平均との差は前年度比で縮まったが、3年連続で全国平均を下回っている。

中学校の平均正答率は、数学が51・3%で全国平均を0・3ポイント上回った。国語は68・7%(全国平均69・8%)、英語は45%(同45・6%)で全国平均を下回っているほか、全国平均との差も広がった。

授業以外で平日に1時間以上勉強する小学生は前年度比2・5ポイント減の54%、中学生は3・6ポイント減の64・9%で、共に全国平均を下回った。平日に十分以上読書をする割合は小中共に上昇しつつ、全国平均より低かった。

自己肯定感に関する調査では「自分には良いところがあると思うか」との問いに、小学生の81・9%、中学生の80・9%が「思う」もしくは「どちらかと言えば思う」と回答。小中共に前年度から上昇した。

県教委の学力向上推進プロジェクトチームは「記述式の回答が改善したが、漢字などの基礎的な知識に課題がある。調査結果を分析し、教員向けの研修などを通じて引き続き授業の改善を図る」としている。

授業以外での学習や読書の時間についても「引き続きの課題だと思っている。PTA連合会を通じた啓発などにより、学習機会を増やしてもらえるようにしたい。効果的な手段を模索していく」としている。

一見勝之知事の話
自己肯定感が高まったことを非常にうれしく思う。全国との差が縮まった教科もあり、学力の育成に期待する。学力が高いことは望ましいが、それ以上に重要なのは子どもたちがのびのびと健やかに育つこと。子どもたちの笑顔あふれる県を目指して取り組む。

福永和伸教育長の話
国語は自分の考えや文章から分かったことをまとめる回答が改善したが、文脈に即して漢字を使うなど、知識や技能の定着が課題。小学校の算数は引き続き図形に課題がある。授業以外の学習や読書の時間が依然として短い。授業の改善や学習内容の定着を図る。