いなべ総合学園か宇治山田商か 夏の高校野球三重大会きょう決勝

【いなべ総合の投手二枚看板の一人、●田陽聖(左)と宇治山田商投打のキーマン前田拓音】

第105回全国高校野球選手権記念三重大会決勝が27日、四日市球場で行われ、いなべ総合学園と宇治山田商が対戦する。2016年以来の夏の甲子園を目指すいなべ総合は、コロナ禍で行われた20年の県独自大会以来の夏の決勝進出。宇治山田商は07年以来の夏の甲子園を目指して、08年以来の県大会決勝に駒を進めた。決勝の見所を紹介する。

いなべ総合は今年春の県大会4試合すべてで逆転勝ちし、7年ぶりの優勝で、夏の三重大会第1シードの座を獲得した。〝逆転のいなべ〟は今大会も健在。4試合中2試合で逆転勝ちし、決勝まで勝ち進んだ。

水野陸翔、髙田陽聖の3年生右腕の好投が粘り強い攻撃を支える。特に後半から継投する髙田は初戦の2回戦から無失点無四死球投球。前任校の四日市工を含め指揮官として春夏通じ9度の甲子園出場を果たしている尾﨑英也監督も「このままの調子を継続してほしい」と目を細める出来だ。

宇治山田商は今大会5試合中4試合をコールド勝ちで決勝に勝ち上がった。旧チームから投打で活躍する、前田拓音や強肩強打の正捕手・小泉凪璃らが座る打線は迫力十分。延長十回タイブレークの末辛勝した準決勝の津商戦も、大会屈指の好投手松田空知を攻略し、実力の片りんを見せた。

夏の県大会決勝進出は15年ぶり。独特の雰囲気にのまれず、実力通りの力を発揮できるかも勝利のカギだ。津西を率いて11年の県大会決勝で伊勢工に惜敗している村田治樹監督は「(自分の)経験はちゃんと生かすつもり」と話している。