<高校野球三重大会>津田学園・伊達が救援2失点「気持ち高ぶって」

【津田学園―いなべ総合 七回から登板した津田学園主戦伊達、ベンチからの声かけに笑顔を見せる=四日市球場で】

4―6でいなべ総合に逆転された直後の七回、最速146キロの津田学園3年生主戦右腕伊達が救援登板した。「気持ちと気持ちの勝負。気持ちで投げる自分が、相手の勢いを押さえれるようにいこうと思った」。しかしその気持ちが空回りした。

「気持ちが高ぶって、それが焦りになった」。一度沈み込んでから投げ込む普段通りの投球ができず、投げ急いでしまった。先頭のいなべ総合4番石垣に左前打で出塁されると四球、暴投も絡んで2失点した。

八回、味方の失策も絡んでさらに1点を失った後、2年生中村にマウンドを譲った。「後輩にプレッシャーをあたえてはいけない」。泣きたい気持ちをぐっとこらえ、笑顔を作った。「あとは任せた。頑張ってくれ」。そう声をかけ、ベンチに下がると、涙が止まらなくなった。

高校に入った頃は「自分のことしか考えられない」性格だった。今年春、投手コーチに就任した野球部OBの若林教諭と野球ノートを通じて対話を重ねる中で、視野が広がり、周囲の変化に気づける様になったという。左脇腹を痛めた影響で背番号19でベンチ入りした今年春の県大会も声出しなど裏方で仲間を支えた。

甲子園球場を目指した高校野球は終わったが、高校2年半の成長を糧に県内の大学に進み、今後は神宮球場を目指すつもりだ。「熱くなりすぎるとこは短所でもあるけど長所でもある。これからも気持ちでいける投手になりたい」と話した。