教員採用試験、1カ月前倒し 県教育長会見 民間に遅れず

【定例記者会見で、教員採用試験の前倒しを発表する福永教育長=県庁で】

福永和伸三重県教育長は25日の定例記者会見で、来年度に実施する教員採用試験のスケジュールを、例年より約1カ月前倒しすると発表した。文部科学省からの依頼を受けた対応。人材確保が目的としている。

県教委によると、文科省は5月31日付で全国の教育委員会に対し、来年度の教員採用試験で実施する一次選考の日程を例年より1カ月ほど前倒しし、6月16日を目安(標準日)とするよう依頼していた。

これを受け、県教委も7月に実施してきた一次選考を、来年度は6月15日に変更。二次選考は7月、合格発表は8月と、それぞれ1カ月ほど前倒しすることを決めた。詳細な日程は来年4月以降に公表する。

全国では多くの教育委員会が7月に試験を実施し、9月ごろに合否を発表している。教員のなり手不足が深刻化している中で、これらのスケジュールは民間企業よりも遅く、人材の流出が課題となっている。

福永教育長は会見で、前倒しの意義について「民間の採用決定が早くなる中で公務員関係は遅かった。前倒しによって少しでも挽回したい。効果は分からないが、手は打たなければならない」と述べた。

前倒しの期間を1カ月としたことには「1カ月の前倒しでも調整が必要で、なかなか大変。これ以上の前倒しは検討しなかった」と説明。今後は「さまざまな状況を見て考えなければならない」と語った。