女児暴行死、経緯を聞き取り 第三者委が初会合、県の対応検証へ 三重

【検証委の初会合で、事案の経緯を聞き取る委員ら=津市桜橋3丁目で】

津市で母親(42)から暴行を受けた三女=当時(4つ)=が死亡した事件を受け、第三者でつくる三重県の検証委員会は14日、県津庁舎(津市桜橋3丁目)で初会合を開き、県当局から事案の経緯を聞き取った。

県によると、検証委は事案の再発防止を目的として設置し、弁護士や児童精神科医ら5人で構成。児童相談所などによる対応の問題点を抽出するなどし、半年から1年ほどをかけて提言をまとめる。

会議は冒頭のあいさつを除いて非公開。委員らは1分間の黙とうをした後、児童相談センターの担当者から事案の事実関係について説明を受けたほか、月に1回のペースで会議を開くことを確認した。

中村徳久子ども・福祉部長は冒頭のあいさつで「子どもの命を守れなかったことを、大変重く受け止めている。これまでの対応で反省すべき点や課題を、第三者の視点から検証してもらいたい」と述べた。

佐々木光明委員長(神戸学院大教授)はあいさつで「検証は責任の重い仕事。子どもの視点に立って事実を確認し、提言をまとめたい。関係者の責任を問うのではなく、再発防止の点から検証する」と述べた。

会合後、報道陣の取材に応じた佐々木委員長は検証のポイントについて「改めて検討する」と説明。「まだ全ての経過を聞き取ってはいない」とし、全容の把握に一定の期間を要するとの見通しを示した。

児童相談所が一時保護の検討などで参考にしたAI(人工知能)を活用した県独自のシステムについては「見てみたいとは思う」としつつ、検証の対象にするかどうかは改めて協議する考えを示した。