志摩の食材、魅力発信へ 市、ABCクッキングと連携協定 三重

【連携協定を締結した橋爪市長(右)と志村社長(左)と志摩市に出向する貞縄さん=志摩市役所で】

【志摩】国内外で料理教室を展開する「ABCクッキングスタジオ」(東京都、志村なるみ社長)と三重県志摩市はこのほど、地域活性化を目的とした連携協定を締結した。県内の自治体では初めて。今後は両者が連携し、同市の食材の魅力発信や流通促進などに取り組む。

ABCの教室は国内に93カ所、中国や韓国、マレーシアなど海外に38カ所あり、国内外の会員は約166万人。地域ブランディング事業にも力を入れ、食材や観光資源を海外へ発信するプロジェクトや、国産食品の販路創出を目的とした海外バイヤーとのオンライン商談会なども行っている。

協定には、「地域食材の魅力向上や販路拡大」「観光・ブランド振興」など、それぞれが持つ物的・人的・知的資源を活用して取り組む6項目を盛り込んだ。

今後は、市の食材の特徴を生かしたレシピを開発して都市圏の教室でレッスンを行い、食材の認知度向上などにつなげるほか、市内のアウトドア施設で実施するキャンプ飯教室のオンライン配信や、同市浜島町の磯体験施設「海ほおずき」で食育がテーマの子ども向け料理教室を行う予定。

また、ABC社員で料理教室講師の貞縄春菜さん(28)が、地域活性化起業人として7月1日付で市観光課に赴任する。

市役所で締結式があり、橋爪政吉市長と志村社長が協定書を交わした。橋爪市長は「我々と協働してさまざまな事業を行っていただき、互いに実りある協定にしていきたい」と述べた。

志村社長は「志摩市の食材の魅力を伝え、調理して食べてもらうのが一番なので、全国の会員に呼びかけたい」、貞縄さんは「自分が感じる志摩市の魅力を食と絡めて発信し、志摩市とABCをつなぐ架け橋としてしっかりと役目を果たしていきたい」と話した。