手を触れずコイさばく 鈴鹿の椿大神社で「奉納四條流庖丁儀式」 三重

【「長久之鯉」の庖丁儀式を奉納する古川さん=鈴鹿市山本町の椿大神社で】

【鈴鹿】三重県鈴鹿市山本町の椿大神社(山本行恭宮司)で2日、第16回「奉納四條流庖丁(ほうちょう)儀式」があった。愛知県半田市の四條流庖丁儀式保存会(四條流第16代家元入口柏修会長)三重社中の6人が、古式にのっとり魚に手を触れずに真魚箸(まなばし)と庖丁刀だけで魚をさばき、日本料理道の繁栄と五穀豊穣(ほうじょう)を願って神前に奉納した。

包丁儀式は、日本王朝時代からの伝統的な儀式。四條流は、四條中納言が庖丁でコイを料理した時の切形から由来し、切り方は代表的なコイが36手、タイは9手あるという。

雅楽が流れる中、式題「長久之鯉」は四條流門人の古川柏滉さんが、「三刀之鯉」は同門人の坂田柏英さんが庖丁人を務めた。いずれも体長約40センチのコイを烏帽子(えぼし)、直垂(ひたたれ)姿で鮮やかにさばき、まな板の上に飾り付けた。同門人の林柏恵さんが一連の所作を解説した。参拝者らは、巧みな包丁さばきと美しい所作に見入っていた。