松阪の女流歌人、高畠式部を紹介 市立歴史民俗資料館で、子孫から資料寄贈 三重

【高畠式部が描いたヒョウタンの掛け軸=松阪市殿町の歴史民俗資料館で】

【松阪】三重県松阪市は1日から、同市殿町の市立歴史民俗資料館で企画展「松阪の女流歌人 高畠式部展~和歌に見るひととなり~」を始める。市内の子孫から昨年、資料を寄贈されたのを機に47点を出品する。会期は9月10日まで。

高畠式部(1785―1881年)は同市西町の商家に生まれ、結婚して京都に住み、26歳で夫と死別。10年後に再婚してから書画や和歌、雅楽、彫刻で才能を発揮した。

長州藩と幕府軍が交戦した1864年の禁門の変で、自宅土蔵に大砲の砲丸が当たって焼け、それ以降の作品が現存する。寄贈品は肖像写真など28点あり、松竹梅の掛け軸3点が展示のメイン。松阪周辺に残る掛け軸や短冊、書簡から人物像や才能を垣間見る。

掛け軸はたこ揚げやヒョウタンなどほのぼのした題材が多く、松阪で描いた松について「97歳とは思えないほどの力強さを感じる」と紹介している。

歌人佐佐木信綱の著書「明治大正昭和の人々」に、京都から歩いて伊勢神宮へ参拝した式部が佐佐木家に宿泊した思い出が書かれている箇所を展示している。

同館の杉山亜沙佳さんは「元気いっぱいなおばあちゃんがいたと知ってほしい」と来館を呼びかけている。

副展示として「戦争資料展」を開催。フィリピン・ルソン島での戦没通知や軍隊手帳など10点がある。

問い合わせは同館=電話0598(23)2381=へ。入館料は一般150円、6―18歳70円。