カイコ4000匹、桑の葉食べ繭作る JAみえなか郷土資料館で飼育展示 三重・津

【カイコに桑の葉を与える西田会長(右)ら=津市一志町高野のJAみえなか郷土資料館体験室で】

【津】三重県津市一志町高野のJAみえなか郷土資料館体験室で、カイコの飼育展示が始まっている。25日までの午前9時―同10時と午後5時―同6時に、4千匹のカイコが桑の葉を食べたり繭を作ったりする様子を見学できる。

同町は明治―昭和初期、県内有数の繭と生糸の生産地で知られた。同JAでは館内で養蚕・製糸の歴史や技術の変遷を紹介し機械器具などを展示。毎年6月には飼育経験者らで作る「蚕糸研究会」と地元のガイド団体「一志町歴史語り部の会」の協力を得て生きたカイコを飼育展示している。

今年は先月21日に飼育を始め、会員が朝晩新鮮な桑の葉を与えている。今年は春嶺(しゅんれい)と鍾月(しょうげつ)との交配品種、雌雄で違う色の繭を作る黄白、皇后陛下が飼育されることで知られる小石丸―の3品種が育っている。品種でばらつきがあるが、小指大に成長し糸を吐き始めた品種もある。

蚕糸研究会の西田太司会長(82)=同町=は「この規模でカイコを育てる場所は県内でここしかない。一志で盛んだった養蚕を多くの人に知ってほしい」と話した。