有識者会議、初会合先送り 三重県立大検討、委員選定に遅れ

三重県が今月中に開く予定だった県立大設置の是非を検討する有識者会議の初会合について、来月以降に先送りすることが30日、分かった。委員の就任に関する手続きが想定通りに進んでいないことなどが理由。今のところ開催の時期は決まっていない。

県立大設置の検討を巡っては、県が「改めて有識者の意見を聞く必要がある」とし、昨年度中の予定だった設置の可否に関する判断を延期。4月に有識者会議を設け、5月に初会合を開く方針を示していた。

県によると、有識者会議の委員は5人程度を想定している。県は大学教授らに就任を依頼したが、正式な承諾を得る手続きや日程の調整などに時間を要したことから、5月中の開催には合わなかったという。

県は県立大のコストと卒業生の県内定着率を比べる「費用対効果」の意見を有識者から聴取したい考え。「難しい検討内容」(県幹部)に対応する有識者の人選に難航したことも、開催が遅れた背景とみられる。

県立大の検討を所管する政策企画部は、予定していた時期に初会合を開けない見通しとなったことを認めつつ、開催の時期は「今のところ決まっていない」と説明。「できるだけ早く開きたい」としている。

一方、同部は4月中に有識者会議の要綱を策定したことを理由に「会議は予定通りに立ち上げることができた」と説明。委員が決まらなくても「要綱を設けた時点で会議は設けたと考えている」としている。

県が県立大の検討を巡って有識者会議を立ち上げるのは、令和3年度に続いて2度目。ある県議は取材に「県は県立大を設けないための理論作りに時間を使っているだけ。早急に結論を出させる」と話した。