古式ゆかしく御田植祭 鈴鹿の椿大神社、祭祀舞や舞踊の奉納も 三重

【「浦安の舞」を奉納する巫女ら(右)と苗を植え付ける植方女ら=鈴鹿市山本町の神饌田で】

【鈴鹿】三重県鈴鹿市山本町の椿大神社(山本行恭宮司)は28日、同町の神饌田・瑞宝稲荷社で、五穀豊穣(ほうじょう)を祈念する御田植祭を開いた。桃山時代の衣装を着けた氏子ら41人が水稲イセヒカリの玉苗を古式ゆかしく手植えした。

約1200平方メートルの神饌田に、一文字がさに紋帷子(かたびら)、あかねだすき姿の植方女が一列に並び、植方男から苗を受け取りながら、3―4本ずつ丁寧に植え付けた。神饌田横の特設舞台では、巫女(みこ)や地元婦人会員らによる「浦安の舞」などの祭祀舞や舞踊の奉納があった。

植え付け後、同大神社と別宮椿岸神社それぞれの主祭神・猿田彦大神と天之鈿女命を描いた大うちわを三度合わせ、秋の豊かな実りを願う大団扇(おおうちわ)合わせ神事があった。

同田の稲は10月初旬ごろに収穫し、そのうち一俵を伊勢神宮に奉納する。同祭は平安時代から伝わり、明治時代に一時中断したが、昭和51年に復活させ48回目となる。