女子生徒へ性的言動繰り返す 県立高26歳男性教諭を停職 三重県教委

女子生徒への性的な言動を繰り返したとして、三重県教委は25日、県立高の男性教諭(26)を停職6月の懲戒処分とした。女性に性的な発言をしたとして、東員町立稲部小の男性教諭(27)を減給10分の1(1月)の懲戒処分、不適切な発言をした講師への対応が不十分だったとして、県立度会特別支援学校の50代女性校長を文書による厳重注意とした。

県教委によると、県立高の教諭は昨年7月20日から今年3月12日までの計9回にわたり、校内の職員室や学習スペースで3年の女子生徒2人に対し、肩や背中、腹、うなじ辺りなどを触った。

また、この女子生徒らを4回にわたって自家用車で自宅付近などへ送る途中、太ももなどを触ったほか、ホテル付近を通りがかった際に「寄っていくか」と話すなど、わいせつな発言もした。

女子生徒が今年2月、別の教諭に相談して発覚したが、教諭は校長から指導を受けた後も女子生徒の体を触っていた。県教委が定める校長の許可を得ず、生徒を自家用車に乗せていたという。

この教諭は今月25日付で依願退職した。県教委の聞き取りに「女子生徒の相談に乗るうちに好意を抱くようになった。触りたかった」と説明。「多大な迷惑をかけて申し訳ない」と話した。

稲部小の教諭は昨年12月13日午後10時ごろ、名鉄日比野駅の駐輪場で女性に道を尋ねた後、わいせつな発言をした。愛知県警が迷惑防止条例違反で書類送検し、名古屋地検が不起訴(起訴猶予)とした。

教諭は同月19日から病気休暇を取得している。県教委の聞き取りに「仲良くなりたくて声をかけた」と説明。「迷惑をかけて申し訳ない。深く反省し、後悔している」と話しているという。

特別支援学校の校長は昨年5月、講師が生徒の容姿に関する不適切な発言をした際に保護者への報告や謝罪を指示しなかった。講師がテストの答案用紙を別の生徒に見せた事案では、県教委への報告が遅れた。

校長は講師の不適切な発言に「緊急性と重大性を認識していなかった」とし、答案を見せた事案の報告が遅れた理由は「事実確認に時間がかかった」と説明。講師は昨年度末で任用を終えたという。

福永和伸県教育長は25日の定例記者会見で、教諭らの不祥事に「学校教育に対する信頼を大きく損ない、申し訳ない」と陳謝。生徒へのアンケートを継続するなどし、再発防止に努める考えを示した。

福永教育長は「セクハラやパワハラに対する社会の感度に教育現場が追いつけていない。相手のことを考えずに傷つけている。これでは、どれだけセクハラは駄目だと話しても刺さらない」と指摘した。

学校が生徒に実施しているセクハラなどのアンケートは「(再発防止に)必ず効果がある。教員に気づきを与える」と説明。「教員の研修も工夫し、ハラスメントへの意識が高まるよう取り組む」とした。