人口減少対策方針、策定遅れに指摘 三重県議会常任委

三重県議会は22日、政策企画雇用経済観光、医療保健子ども福祉病院の両常任委員会を開いた。人口減少対策方針(仮称)の策定が遅れていることに対し、政策企画雇用経済観光常任委の委員から「策定されないまま来年度予算が編成されるのはまずい」との指摘が上がった。政策企画部は今夏にも策定する意向を示す一方で「どんな意見を頂くかにもよる」などとして確約はしなかった。

夏までに策定と県、確約はせず

〈政策企画雇用経済観光=芳野正英委員長(8人)〉
県は昨年度中に方針を策定する予定だったが、国が打ち出す子育て支援強化策を参考にすることを理由に見送った。このため、本年度一般会計予算には方針がないまま人口減対策の関連費を計上していた。

【策定時期】

策定の遅れに三谷哲央委員(新政みえ、8期、桑名市・桑名郡選出)は「来年度当初予算も人口減少対策方針が確定しないままに編成されるのはまずい」と指摘し、策定までのスケジュールを尋ねた。

後田和也政策企画部長は6月に開かれる常任委での議論を経て、今夏にも方針を策定する考えを示しつつ「常任委でどのような意見を頂くかによる。なるべく早期に策定したい」とし、確約はしなかった。

この説明に対し、三谷委員は「理解できない」と批判。「来年度当初予算も方針が策定されないまま編成するようなことがないように」と改めて求めたが、後田部長は「努力する」と述べるにとどめた。

給食強要問題、対策求める

〈医療保健子ども福祉病院=川口円委員長(8人)〉

桑名市の「長寿認定こども園」で保育士が給食を食べるよう園児に強要した問題で、再発防止策を尋ねる声が上がった。子ども・福祉部は市からの報告書を踏まえて対策を検討すると説明した。

【虐待】

同園では保育士が給食を食べるよう約4時間にわたって強要した末に園児が失禁するなど、虐待の疑いがある行為が3月に発覚。同様の問題は少なくとも平成21年から続いていたとみられる。

県によると、同部は22日午後、事案の調査に当たっていた市から報告書を受け取った。報告書の内容を踏まえ、認定こども園法に基づく同園への特別監査を実施する方針。

吉田紋華委員(共産党、1期、津市)は事案を受けての再発防止策を尋ねた。世古千浪子どもの育ち支援課長は「本当に重く受け止めている。報告書を吟味して再発防止策を考えたい」と述べた。
【人口減少対策方針(仮称)の策定に向けたスケジュールを聞き取る政策企画雇用経済観光常任委=県議会議事堂で】