「ピアニスト目指すも数学教師に」 津高生にOB北後氏トーク 三重

【生徒に自身の経験を話す北後氏(左端)=津市新町の県立津高図書館で】

【津】三重県津市新町の県立津高校は19日、同校図書館で現役教員を囲む「車座トーク」を開いた。数学の教員で音楽部顧問の卒業生、北後知尋氏(45)が「ピアニストを目指した私が数学教師になった」と題し、進路選択の経緯を中心に半生を話した。

卒業生や若い話し手を講師に気軽にやり取りする放課後の催しで一昨年に始まり11回目。過去最高の1―3年70人が参加した。

北後氏は事前に寄せられた生徒からの質問に答える形で話した。5歳からピアノを習い高校入学時には「ピアニストを目指す」と宣言しながら京都大理学部に進んだ理由を「(宣言は)親が喜ぶから言ってるところがあった。高2の秋に本当に音楽が好きなのか迷い、好きな数学に進んだ」と振り返った。

進路には選ばなかったが音楽部の活動は高3まで続けており、生徒は「勉強とどう両立したのか」と質問。北後氏は「時間がないので授業の中で完結するようちゃんと聞いていた」、教師を選んだ理由を問われ「数学の楽しさが伝えられ、ピアノも生かせる職種」と述べた。

3年の辻彩佳さん(17)は「進路のことは堅く考えがちだが肩の力を抜いて自分の興味を大切にいろいろ経験することが大事だと思った」と感想を述べた。