於奈津の生涯たどる 芸濃い劇団「燦」、3年半ぶり熱演 三重・津

【「芸濃い劇団『燦』」の公演=津市芸濃町椋本の芸濃総合文化センターで】

【津】三重県津市芸濃町を拠点に活動する市民劇団「芸濃い劇団『燦(さん)』」(団員58人)の公演が14日、同町の芸濃文化センター市民ホールであった。同町出身で徳川家康の側室だった於奈津の生涯を描いたオリジナル脚本「それ行け家康!どうする於奈津?」で、8―81歳が熱演した。

同団は平成30年に演劇を通じて芸濃町を盛り上げようと旗揚げし、地元の伝説やゆかりの人物を題材に元市職員の稲垣巧さん(68)が脚本を製作。年1回の公演や高齢者施設の慰問などをしてきた。コロナ禍で活動が制限される中赤い羽根共同募金の配分金を活用し約3年半ぶりの一般公演が実現した。

物語では芸濃町河内に生まれた於奈津が徳川家の奥勤めから家康の側室となり、数々の功績から江戸城三の丸に屋敷を与えられ、80歳で生涯を閉じるまでをたどった。家康の陣営に振り込め詐欺の電話がかかったり、ダンスやファッションショーがあったりのエンターテインメントで、2回の公演で計412人(同団発表)が楽しんだ。

友人が出演した同町の澤田二三子さん(74)は「於奈津さんのことがよく分かり、飽きずに見られた。地元の方が出ていて内容も難しくなく楽しかった」と感想を話した。