三重県議会、113代議長に中森議員 副には杉本議員、女性は60年ぶり2人目

【就任会見で抱負を語る中森議長(左)と杉本副議長=県議会議事堂で】

三重県議会は12日の本会議で正副議長選を実施し、113代議長に中森博文議員(69)=自民党、6期、名張市選出=、117代副議長に杉本熊野議員(69)=新政みえ、5期、津市=を選んだ。女性の副議長は県政史上で2人目。60年ぶりとなる。

議長選では、中森氏に46票、稲森稔尚議員(草の根運動いが、3期、伊賀市)に1票が入った。残る1票は無効票だった。副議長選は44票が杉本氏に入り、残る四票は無効票だった。

関係者によると、中森氏への無効票は吉田紋華議員(共産党、1期、津市)が投じた。杉本氏への無効票は、副議長選の候補者を擁立せずに「正副独占」を回避した自民党への反発とみられる。

中森氏は就任会見で「二元代表制の一翼を担う議会の機能を十分に発揮し、県民の福祉向上と県政発展に全力を尽くす」と強調。カーボンニュートラルをはじめとする環境関連の検討会を設ける意向を示した。

前期に起きた県議のツイッター投稿問題などを受けた議員の資質向上については「言うまでもなく、それぞれの議員や会派が十分に注意すべき」と述べ、議員らに政治倫理条例を周知する考えを示した。

議長任期は申し合わせで2年以内と定めているが、中森氏は「最近は1年が多い。まずは1年を完遂し、特別な事情があれば改めて信を問う」と説明。月ごとの定例記者会見は今後も実施する考えを示した。

女性では60年ぶりに副議長となった杉本氏は「女性の立候補や周囲の意識などで、まだまだ解消すべき課題がある」と指摘。県内の女性議員と連携し、女性の政治参画を促す取り組みを進める考えを示した。

また、広聴広報会議の座長を務める立場から「議会活動を分かりやすく身近に感じてもらえるよう、情報発信を進めたい」と説明。「若者に関心を高めてもらえるような具体策を検討する」と語った。

中森氏は日本土建社員や名張市職員を経て平成15年4月の県議選名張市選挙区で初当選し、議会運営委員長や四日市港管理組合議長などを歴任。27年5月から1年間、副議長を務めた。愛知工大工学部卒。

杉本氏は小学校教諭を経て平成19年4月の県議選津市選挙区で初当選し、監査委員や予算決算常任委員長などを歴任。令和3年6月から1年間、四日市港管理組合議長を務めた。三重大教育学部卒。