西方寺東都三井店絵馬を指定 松阪市指定有形文化財に 三重

【西方寺東都三井店絵馬(松阪市提供)】

【松阪】三重県松阪市はこのほど、同市清水町の西方寺が所有する、三井越後屋を描いた「西方寺東都三井店(さいほうじとうとみついだな)絵馬」を有形文化財(歴史資料)に指定した。

絵馬は額装で、額が縦約70センチ、横約105センチ、本紙が縦約40センチ、横約74センチ。江戸駿河町の三井本店と三井向店を描いている。作者は柳文朝。松阪出身の両店奉公人が天保7(1836)年、故郷の同寺に奉納した。

同市文化課は「作者が明らかな肉筆絵画資料の秀作」「松阪商人は競って日本橋かいわいに進出した。旧清水村・旧菅生村と三井店とのつながりを具体的に示し、奉公人の心情面をもうかがうことのできる貴重な歴史資料」と評価している。

今回の指定で市内の指定・登録文化財数は計280件となった。