学童保育所を舞台に小説 松阪市ブランド大使の作家・村上しいこさん刊行 三重

【村上しいこさんの新刊「あえてよかった」】

【松阪】三重県松阪市ブランド大使の作家村上しいこさん(53)=同市市場庄町=はこのほど、学童保育所が舞台の小説「あえてよかった」を小学館から刊行した。B6判288ページ、税別1600円。

村上さんは絵本や児童書、小説を多数執筆。平成27年の「うたうとは小さないのちひろいあげ」は野間児童文芸賞を受賞した。

今作は学童保育所でアルバイトとして働き始めた愉快な58歳男性が主人公。親の離婚など深刻な問題を抱える子どもたちに、女性職員らと一緒に向き合っていく。妻と死別した主人公は「早く死んで、妻のそばに行きたい」と思っていたが、逆に「もっと強くなれよ。体も心も」と子どもを励まし、心境の変化が訪れる。

編集した小学館の片江佳葉子さんは「子どもたちの声や描写が真っすぐ心に飛び込んできます。子どもを見守る多くの大人たちに、ぜひ読んでいただきたい」と呼びかけている。