体操・全日本3位の杉本、NHK杯へ「ノーミスで」

【杉本海誉斗】

体操の個人総合で争う全日本選手権が4月20―23日、東京体育館で行われた。2024年パリ五輪の予選を兼ねる世界選手権(9~10月・ベルギー)代表2次選考会を兼ねた重要な大会で、本県拠点の相好体操クラブ所属の23歳、杉本海誉斗(かいと)=千葉県出身=が男子の部で3位。6歳から体操を始め、船橋市立船橋高、日体大を経て相好体操クラブに加入し今年で2年目。得意種目の平行棒で種目別選手権を制したことはあるが個人総合での国内トップ3入りは初めてだ。

【平行棒の演技に臨む杉本海誉斗(相好体操クラブ提供)】

大学2年でナショナル強化指定選手。しかし「試合前吐き気を催す」ほどの緊張症。大一番で結果を出せず、代表入りの経験はまだない。演技が安定してきたのは社会人になってから。「仕事で体操をやるからには結果を残さないといけない」と練習の時から感情をコントロールできるようになったという。

今年の全日本選手権は予選7位からのスタート。世界選手権代表が決まるNHK杯(20、21日・東京体育館)で上位選手が集まる1班に入ることを目標に、6位以内を目指して決勝に臨んだ。決勝最初の種目のあん馬から「ミスなく乗り切れた」。得意の平行棒は、予選から技の難度を1つ下げたものの「ほぼ完璧な演技」。予選を上回る首位タイの15・233点をマークして総合順位を押し上げた。

表彰式では優勝の21年東京五輪金メダルの橋本大輝らとともに表彰台に立ち「正直びっくりしている」が「これを機会に一般の人にも自分の名前を知ってもらえたら」。全日本の得点を持ち点に争われる今月のNHK杯は、橋本らとともに1班で演技することが決まり「世界選手権代表に入りたい気持ちはあるが、まず2日間ノーミスで演技する。そうすれば結果もついてくる」と話している。
世界選手権(9~10月・ベルギー)日本代表 男女とも5枠。全日本選手権の予選と決勝の合計得点を持ち点に争う、5月のNHK杯で、男子は代表内定の橋本大輝を除く上位2人、女子は上位4人がまず代表に選出される。本県関係では全日本選手権で男子3位の杉本海誉斗(相好体操クラブ)のほか女子7位の岡村真(同)=暁高=らの活躍が期待されている。