子ども祭車を無償譲渡 桑名の東矢田町自治会が川越町豊田地区に 三重

【大山自治会長(左)からブチを受け取る小川副区長=川越町豊田の80積椋神社で】

【三重郡】三重県桑名市の東矢田町自治会は4月30日、子どもが減ったことを理由に子ども祭車を川越町豊田地区に無償譲渡した。川越町豊田の八十積椋(やそつみくら)神社で、子ども祭車の引き渡し式と祈祷(きとう)祭が、関係者によって執り行われた。

式には約20人が出席し、同自治会の大山清司自治会長が、同地区の小川武夫副区長に太鼓を叩く棒状の道具「ブチ」を手渡した。区長に代わり小川副区長からは、同自治会に感謝状と記念品を贈呈した。続く神事を終えると、祭車に取り付けられたかねや太鼓を打ち鳴らし、集まった地元の子どもたちが順番に太鼓を叩いた。

子ども祭車は、山形最頂部までの高さ約4メートル、長さ約2メートル、横幅約1・2メートル。昭和30年ごろ、桑名神明社(桑名市桑名)の例大祭用に銀町(しろがねちょう)(現同市有楽町南)が造ったものという。その後、各所に譲り受けられた後、平成12年に同自治会のもとに来た。

同自治会は、地元の立坂神社の大祭で子ども祭車を引き回したり、桑名市内の高齢者福祉施設を慰問して、おはやしを披露したりもしていた。しかし子どもの減少に伴い出番がなくなり、維持管理に苦心していた。譲渡先を探していたところ、同地区が名乗りを上げた。

小川副区長は「大変ありがたい。後世にしっかりと継承していく」と話した。子ども祭車は修理に出し、7月29、30日に開催する同地区の石取祭で、もらい受けた子ども祭車を引き回す予定という。

【川越町豊田地区に無償譲渡された祭車】