【松阪】オムロンヘルスケア(本社・京都府向日市)は、血圧計や体温計の国内生産拠点である松阪事業所(久保町)でのエネルギー消費効率を向上させ、2030年度までの温室効果ガス排出量65%削減を目標とした取り組みを進めている。このほど、報道関係者を対象に事業所内部を公開し、取り組み事例を紹介した。
4月から本格稼働を始めた主な取り組みでは、生産ラインや事務スペースを含めた事業所全体のエネルギー消費量や生産量、効率性を測るためのエネルギー生産性などのデータを可視化したシステムを導入し、電力利用の最適化を図る。また、人や設備の動きを観測する画像型人感センサーなど約230基を事業所内に設置し、照明や空調を管理して省エネ化を進める。
このほか、生産ラインの省スペース化や動線の見直し、部品調達先を海外から国内に切り替えるなどの取り組みを進め、30年度までの温室効果ガス排出量を16年度比65%削減を目指すとしている。将来的には3棟ある工場棟を1棟に集約する方針も明らかにした。
オムロンヘルスケア生産SCM統括部の鈴木礼子部長は「これからの世界は環境に配慮しないと生き残れない。他の事業者とも悩みを共有しながら共に脱炭素に向けて歩いていけたら」と話していた。