「インクルーシブ」な遊具整備 伊勢の朝熊山麓公園リニューアル 三重

【新しい大型遊具の前で行われたオープニング式典でのテープカット=伊勢市朝熊町の朝熊山麓公園で】

【伊勢】三重県伊勢市朝熊町の朝熊山麓公園が、新たな遊具やベンチなどを整備し、リニューアルした。障害のある子もない子も一緒に遊べる「インクルーシブ」な遊具を導入するなど、誰もが楽しめる公園を目指した。

公園内には、遊具のある芝生広場をはじめ、ソフトボール場やグラウンドゴルフ場がある。近くには県営サンアリーナなどのスポーツ施設もあり、県内外から多くの人が訪れる。

今回の整備は、市が令和4年度事業として、近隣の児童や保育園児、市民らへのアンケートで人気のあった三つの遊具を芝生広場に増設。市内で、インクルーシブな公園の整備を求めて活動する市民団体「みんなの公園つくり隊ise」の意見も参考にした。

増設されたのは、高さ3メートルの滑り台が楽しめる大型遊具、ボルダリングなどを組み合わせた「クライム遊具」、インクルーシブな遊具として、車イスからでも乗り移りがしやすく姿勢の保持が難しい子も楽しめる回転遊具も導入。ベンチの増設やトイレの改修、障害者用駐車場も整備した。事業費は約7千万円。費用の一部は、ふるさと納税型クラウドファンディングや企業版ふるさと納税の寄付が活用された。

【背もたれが高く姿勢の保持が難しい子も遊べる工夫がされたインクルーシブな回転遊具=伊勢市朝熊町の朝熊山麓公園で】

リニューアルに伴うオープニング式典が2日に開かれ、市や地元自治会、関係機関の代表らが出席。鈴木健一市長は「子どもたちに楽しんでもらえる施設の整備を進め、笑顔で元気に遊べる環境づくりに努めたい」とあいさつした。式典後は、障害の有無に関わらず誰もが楽しむことができる「インクルーシブスポーツ」体験も開かれ、多くの家族連れらが、ボッチャなどを楽しんだ。

障害のある息子を育てる「みんなの公園つくり隊ise」代表の松元康枝さん(42)は「多く人の声とともにできた公園という実感がありうれしい。公園づくりを通し、障害のある子と触れ合ったり、いろんな人が互いの違いを知り、優しい町になってほしい」と話していた。